谷崎潤一郎といえば、女性美を描き続けた「美の作家」というイメージが強いのではないでしょうか。
しかし、じつはそれだけではないのです。
大正時代を中心に、昭和初期くらいまでの谷崎には、幻想や怪奇に彩られ、時にグロテスクな様相すら漂わせる作品も少なくありません。
人魚や魔術師を主題にした幻想的な物語、「女首」(討ち取った印の鼻を削がれた生首)に魅入られた武将が主人公の時代小説、悪女が仕掛ける血みどろの戯曲、
人の顔をした腫物の笑いが映画の中で不気味に輝くホラータッチのストーリー……。
谷崎のもつ一面、「暗黒と流血の文豪」としての顔に焦点をあてていきます。
■特設展開催時の記念館入場料は一般500円、65歳以上250円、高校・大学生300円、中学生以下無料となります。
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