芦屋の文化と歴史を文学の視点で綴る・谷崎潤一郎記念館へようこそ
 
2019年 春の特別展「スキャンダル~噂の文豪~」会期 2019年4月13日(土)~ 6月30日(日)
  「大谷崎」とよばれた文豪谷崎潤一郎。そんな彼も、スキャンダルの主人公として、何度か世間を騒がせています。 また表立たずとも、醜聞めいた人間関係の中に少なからず身をおきました。

  が、そこは文豪、複雑に交錯する人間関係のテンションを創作へのインスピレーションへと変換させていったのです。

  最初の妻千代とその妹せい子、そして親友の詩人佐藤春夫をも巻き込んでの四角関係は、「痴人の愛」の背景となりました。 「妻譲渡事件」として一大スキャンダルとなった、谷崎と千代と佐藤との間でのいきさつはまた、ほとんど同時進行的に、 画期的傑作「蓼喰う虫」へ写しとられていきます。二人目の妻丁未子と最後の妻松子との間での板挟みの軋轢は、 「猫と庄造と二人のおんな」の自虐的な諧謔の軽みへと昇華されました。妻松子とその妹重子との間でのデンジャラスな関係性も、 センセーショナルな問題作「鍵」の創作へのエキスとなったことでしょう。そして、「息子の嫁」と老人との危うい関係を描いた畢生の傑作 「瘋癲老人日記」は、モデルとなった女性との「遊び」の戯画化に他ならなかったのです。

  まともに受けとめたならば、耐えられそうにもない愛憎の渦を、 谷崎はみずから巻き起こしときに操りつつ書きとめていったかのようにもみえます。

  谷崎にとっての現実とは、作品のために企てられた虚構だったのでしょうか?

  特別展では、こうした谷崎をめぐる生の人間関係に隠された名作誕生の秘密を、谷崎肉筆の書簡や遺愛品・初版本等、 数々の貴重な資料によって浮き彫りにしていきます。

 協力:新宮市立佐藤春夫記念館 中央公論新社

■特別展開催時の記念館入場料は一般400円、65歳以上200円、高校・大学生300円、中学生以下無料となります。

 
2019年夏特設展「歌人」谷崎潤一郎~文豪の五七五七七~ 会期 2019年7月6日(土)~9月8日(日)
  文豪谷崎も、「詩歌」の分野はあまり得意ではなかったようです。が、意外にも、「和歌」については、生涯にわたって多くの作を遺しています。

  「巧拙よりも即吟即興」、「小便をたれるやうに歌をよんだらいい」とまで言い放つその歌風は、たしかに素朴ではあります。が、だからこそ、 じかに話しかけてくるようにも感じられる歌いぶりは独特で味わい深く、短冊・色紙・扇子と、様々に詠まれたその墨跡からは、生の声が立ち昇ってくるようです。

  「歌人」潤一郎の、そんな肉声の歌々を、存分にお愉しみください。
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© Tanizaki Junichiro Memorial Museum of Literature,Ashiya.